よしぶえ No.19 1998 AUTUMN

風景のMUKASI

詩:滝本明 写真:細川和昭

爽やかな風に穂を揺らす、初秋の鵜殿の葦原

わたしが 一本の草だった頃
夕暮れのオンナがひとり 唇をひらいた
その時からわたしは
黄色い ツ・キ・ミ・ソ・ウ になった

わたしが一匹の魚だった頃
日に焼けた若いオトコがわたしを呼んだ
わたしはウロコをキラリと見せて
フ・ナ と呼ばれることを覚えた

わたしが一羽の鳥だった頃
ひとりのコドモが道を通った
キ・ジ という叫び声が聞こえた
わたしはその目の前を駆け抜けた

雲も花も魚も虫も
そして 鳥の星座さえも風に揺れている
ここには いろんな名前が住んでいて
わたしはいま わたしの中のムカシを思い出していて

目次

イベント報告 イベント案内 淀川河川公園案内 淀川歴史散歩 淀川河川公園と私

淀川の自然

木津川・宇治川・桂川の三川が合流する付近から河口までの約40kmが一般に<淀川>と呼ばれています。淀川の長大な両岸は、自然と一体となった淀川河川公園が点在し、都心の中での身近で貴重なオアシスになっています。淀川の生き物は、天然記念物や希少種を含めた魚類約55種、貝類約34種、鳥類約177種、植物約400種が確認され、他に昆虫・哺乳類・爬虫類・両生類・水生生物が生息しています。「淀川の自然を楽しむ会」で、こんな都市の中の自然に親しんでみませんか。

葦原が広がる十三野草地区で行われた「淀川の自然を楽しむ会」

イベント報告

第56回 淀川の自然を楽しむ会

8月30日(日)十三野草地区で、午前10時から午後3時まで「淀川の自然を楽しむ会」が催されました。 当日は台風の影響が心配でしたが、終日曇りで薄日も射すまずまずの観察日和。 幼稚園児から小学高学年の子供たち22名とその父兄、当日参加者を含め総勢81名の賑やかな会になりました。

今回のテーマは”水辺の生物”。 観察リーダーの説明のもと・堤防上から淀川の流れの方向など川の観察・カニやシジミの採集観察・ カニの巣や水鳥の足跡などを石膏で固めて採集・野草の観察など盛りだくさんの内容でした。 子供たちはカニ、シジミ、カワエビ、魚などを捕まえるのに夢中で、アシハラガニの素早い動きに大苦戦したり、 怖がったり、石膏の水加減にとまどったり…。

休憩時間には、観察リーダーに葦笛を作ってもらいめいめい笛の音を楽しみました。 観察終了後、グループ発表会があり、中でも小学生高学年グループが採集した石膏のカニの巣の見事さに 感嘆の声があがりました。

石膏でカニの巣を採集する子供達
アシハラガニ

第3回淀川河川公園杯 男子テニス大会

恒例の淀川河川公園杯「男子テニス大会」が9月6日(日)赤川地区で開催されました。赤川地区は淀川河口から11km左岸にあり、 都心部ながら、上流部には天然記念物のイタセンパラが発見されたワンドとJR貨物車と人が渡るトラス鉄橋(JR赤川鉄橋)を望む、景色の美しい施設公園です。

当日は、あいにく曇り時折小雨のパラつく天候でしたが、参加36チームが栄冠を目指して熱戦を繰り広げました。試合は男子ダブルスのトーナメント方式、上位進出がある一回戦敗者復活もあり、6試合を勝ち抜けば優勝ということで全員気合十分。テニスコートは砂入り人工芝全6面を使用。試合後の参加選手に聞くと「砂が少し湿っていたせいもあるが、他のコートと遜色がなく、プレーのし易いコートで河川敷にあるとは思えないね。」とコメントが返ってきました。

表彰式では、全員に参加賞、上位3チーム各人に一個づつ”GOLD/SILVER/BRONZE”の刻印入りクリスタルグラスが手渡されました。

★1位★ 芝・渥美チーム
★2位★ 山本・佐藤チーム
★3位★ 藤本・宮坂チーム
力強いサーブをするプレイヤー

’98全日本市民駅伝 サーキット大阪大会

9月20日(日)、今年で7年目を迎えた全日本市民駅伝サーキットが、淀川河川公園の6地区をコースとして開かれました。ハーフ駅伝(4区間21キロ)とクォーター駅伝(同11キロ)に、小学生から70才までの361チーム計1444人が参加。

メイン会場の枚方地区がスタート地点で、下流の出口野草地区が折り返し点。最高気温31度という暑さにもめげず、沿道の声援の中、元気にタスキをつなぎあいました。当日は朝から快晴。会場の枚方地区には大阪など近畿のほか、四国、岡山、東京の各チームが勢揃い。

セレモニーの4、5才児によるブラスバンド、軽快なエアロビクスの準備体操の後、午前10時半クォーター、11時半ハーフがスタートし、お昼には元オリンピック選手の浅井えり子さんのランニング講座があるなど、市民ランナーにとって楽しい一日になりました。

優勝
★クォーター★ あいな工房(男子)・華頂短大(女子)・赤い疾風(混合)
★ハーフ★ C・ランバード西日本A(男子)・美原走ろう会(女子)・枚方マスターズA(混合)
★マスターズ★ 枚方マスターズスーパーミドル
浅井りえ子さん(黄色シャツの右隣)も伴走したクォーター駅伝のスタート
枚方地区を埋めるランナー達

イベント案内

10月1日(木)~31日(土)

マナーアップ強化月間(淀川全川)

10月1日(木)~31日(土)

都市緑化月間

10月2日(金)~4日(日)

近畿都市緑化祭(花博記念公園鶴見緑地)

10月4日(日)・5日(月)

秋の緑化祭・植木市(守口地区)

10月12日(月)

淀川河川公園杯女子テニス大会(鳥飼上地区)

10月28日(水)

淀川河川公園ゲートボール大会(仁和寺野草地区)

11月22日(日)

土木の日と「LOVE遊-淀川」(枚方地区)

10月25日(日)

淀川河川公園仁和寺パター競技会(仁和寺野草地区)

平成10年 10月25日(日)
時間 午前9時30分
(受付時間9:00/スタート時間9:30)
会場 淀川河川公園仁和寺 ローンプレイフィールド
(寝屋川市仁和寺野草地区)

●主催: 財団法人 河川環境管理財団 大阪事務所

募集要項
【主催】  (財)河川環境管理財団大阪事務所
【日時】  平成10年10月25日(日曜日)
受付時間:午前9時00分
スタート時間:午前9時30分
【場所】  淀川河川公園 仁和寺ローンプレイフィールド
(寝屋川市仁和寺野草地区)
【競技方法】  18ホールストロークプレイ
【参加資格】  中学生以上の男女
【参加料】  1人/1,500円(プレー費含む)
【募集定員】  140名(先着申込み順)
【賞品】  数多く豪華賞品を用意しています。
(優勝~10位・飛び賞・参加賞)
【申込・
問い合わせ】 
(財)河川環境管理財団大阪事務所
〒572-0096 守口市外島町4-18
TEL 06-994-0006
【申込締切日】  10月16日(金)

11月8日(日)

淀川の自然を楽しむ会(八雲野草地区)

テーマ「ワンド探検」─淀川のワンドの元元の姿をさぐる─

平成10年 11月8日(日)
時間 午前9時30分
会場 淀川河川公園 八雲野草地区
(集合:庭窪レストセンター)

●主催: 近畿地方建設局淀川工事事務所/財団法人 河川環境管理財団

募集要項
【開催場所】 淀川河川公園 八雲野草地区
【テーマ】 「ワンド探検」─淀川のワンドの元元の姿をさぐる─
【年月日】 平成10年11月8日(日)
【集合場所
・時間】
庭窪レストセンター(守口市) 午前9時30分
【参加対象】 小学生から大人まで(小学生のみ付添い者必要)
【参加料】 無料(交通費は各自負担)
【参加人員】 先着100名
【申し込み方法】 ハガキに本人及び付き添い者の住所、氏名、性別、年令を書いて、下記にお申し込みください。(電話受付 可)
〒566-0071 摂津市鳥飼下1丁目8-1
(財)河川環境管理財団 鳥飼サービスセンター
電話0726-54-8666
【〆切り】 平成10年11月3日(火)まで

12月12日(土)

第4回淀川河川公園リレーマラソン(太間地区)

1チーム4人以上10人以内の仲間でフルマラソンにチャレンジしよう!

リレーマラソンとは、1周2kmのコース計21周プラス195mを、タスキリレーしてチームでフルマラソンを完走するスポーツです。

平成10年 12月12日(土)
時間 午前11時スタート/雨天決行
会場 淀川河川公園・太間地区陸上トラック周辺
●主催: 近畿地方建設局淀川工事事務所/住宅・都市整備公団
(財)河川環境管理財団
●後援: 産経新聞社・サンケイスポーツ
●協賛: 森永製菓・ニューバランスジャパン
募集要項
【募集】 先着350チーム(1チーム4人以上 10人以内)
【参加資格】 独力で1周2キロを完走できる男女。
(目が不自由な方でも、伴走者がいれば可。走路幅に限りがあるので車イスの方のエントリーはご遠慮いただいています)
【競技方法】 1周2キロのコース計21周プラス195mを、タスキリレーしてチームで完走する。走る順序や何周走るかは自由。
【参加料】 大人1人 ¥2,500─ /中学生以下 ¥1,200─
参加者全員に大会記念Tシャツを進呈。
【キャンセル】 募集締切後のキャンセルについては、参加料の払い戻しは致しません。但し、選手の変更は可能です。
 
表彰
【総合】 1位~3位
【マイペース
ラン賞】
1位~3位
【部門賞】 男女混合部門(女子2名以上を含む男女混成チーム)
女子部門(全員女子のチーム)
職場仲間部門(全員が同一職場のチーム)
ファミリー部門(全員が親子または親戚・血縁者チーム)
ジュニア部門(全員が小・中学生のチーム)
その他、特別賞・ラッキー賞など
※1.各賞に関しては変更される場合もあります。
※2.特別賞は総合1~3位のチームは対象外とします。
【完走賞】 時間内に完走したチームには、完走証(即日発行)と総合成績一覧表(後日郵送)
 
大会ルール
【タスキ
リレー】
レースはタスキのリレーによって進みます。1人が1周以上走って次の走者にリレーします。1人で続けて何周走っても構いません。走る順序や回数は自由です。休んだ後で再びタスキを受けることもできます。また、自分たちのタスキを用意しても構いません。タスキリレーは決められたリレーゾーンのみ可能、コース途中で交替することはできません。
【周回
チェック】
各チームに周回記録用紙をお渡しします。1周目から21周目までのランナーの名前と各周回タイムを記録し、最終周の走者がスタートしたら、すぐに記録テントまでお持ち下さい。
【計時】 タイムの計測・集計は発信器付きリストバンド(事務局より貸与)を使用し、コンピューターシステムにより行ないます。
5,10,15,21(最終)周目のランナーは、右手首にリストバンドを着用して下さい。
【伴走】 1人で2キロを走るのが不安な選手にチームメイト1人が伴走することができます。(但し、他のチームに迷惑がかからないよう並び方に注意して下さい。また、伴走者がコース途中でタスキを受けることはできません)。
【競技時間】 競技は午後3時に終了します。この時間までにゴールしたチームが正式な完走と認められます。
【救護】 大会本部にトレーナー及び救護班が待機していますが、応急手当以上の責任は負いかねますので、当日はくれぐれも体調を整えてご参加下さい。
【注意】 更衣室は用意致しますが、荷物の管理は各チームでお願いします。
(大会に際しては大会ルールを遵守し、安全で楽しくレースができるようご協力下さい)
 
応募要項
【応募方法】 下記、サーキット事務局まで参加申込書に必要事項を記入の上、ご郵送下さるか、参加申込書をFAXにて送信して下さい。また、参加料は必ずチーム名にて、申込と同時に下記の口座にお振り込み下さい。
申込締切り後、入金を確認した上で、代表者の方へ最終案内をお送り致します。
【お申し込み・
お問い合わせ】
◇淀川河川公園リレーマラソン係
(財)河川環境管理財団大阪事務所・守口サービスセンター内

〒570-0096 守口市外島町4-18
TEL 06-994-7300 FAX 06-994-0095
◇42.195kmリレーマラソン国営公園サーキット運営事務局
〒180 東京都武蔵野市西久保1-1-9 T’sロフト5F ヒーロー工房内
TEL 0422-55-7882 FAX 0422-55-7870
【お振込み
口座】
◇住友銀行 守口支店(普)1166368
淀川河川公園リレーマラソン・代表 新保孝三
【申込締切り】 11月11日(金)必着
入金確認後、10月中旬より代表者の方へ最終案内をお送りいたします。

1998~1999 国営公園リレーマラソンサーキット・スケジュール

開催地区 大会名 開催日
東北大会 第4回 みちのく公園リレーマラソン 無事終了しました
関東大会 第7回 ひたち海浜公園リレーマラソン 10月4日
九州大会 第3回 海の中道海浜公園リレーマラソン 11月14日
中部大会 第5回 木曽三川リレーマラソン 11月22日
関西大会 第4回 淀川河川公園リレーマラソン 12月12日
北関東大会 第3回 武蔵丘陵森林公園リレーマラソン 1月9日
東京大会 第5回 国営昭和記念公園リレーマラソン 3月13日
ボランティア募集
リレーマラソンのサポートをしてみませんか。
大会当日、運営事務局のスタッフと一緒にリレーマラソン運営のお手伝いを頂けるボランティアスタッフを募集いたします。ご協力いただきました皆様には、お礼と致しまして、昼食・スタッフTシャツ及び、一律交通費をお渡しいたします。
詳細は、リレーマラソン運営事務局 TEL 0422-55-7882(渡辺)までご連絡下さい。
マラソン会場
淀川河川公園・太間地区(寝屋川市)
━交通のご案内━
京阪電車寝屋川市駅からバス(太間公園行)で太間公園下車徒歩10分

淀川河川公園案内

トリム・コース編

淀川河川公園のトリム・コース施設は、下記の5地区に設置されています。 トリムとはノルウェーの造船用語で船のバランスをとるという意味。

トリム運動は、心身のバランスをとるためにスポーツで健康・体力づくりをしよう という推進運動のことで、約30年前にヨーロッパから世界中に広まりました。

運動不足や肥満の解消、成人病予防のために生活の中にスポーツを取り入れよう という考え方です。子供からお年寄りまで楽しく行うことができます。

西中島地区トリム・コース
地区名 コース数 交通
(1)赤川地区 1 大阪市バス大東町下車徒歩10分。
(2)西中島地区 1 阪急電車南方駅または地下鉄(御堂筋線)西中島南方駅下車徒歩7分。
または大阪市バス木川東二丁目下車徒歩5分。
(3)太間地区 1 京阪電車寝屋川市駅より京阪バス(太間公園行)で太間公園下車徒歩5分。
(4)三矢地区 1 京阪電車枚方公園駅下車徒歩10分。
京阪電車枚方市駅から京阪バス枚方公園口下車徒歩5分。
(5)大塚地区 1 京阪電車「枚方市」駅または阪急電車「高槻市」 駅から京阪バス「枚方大橋北詰」下車徒歩7分。
■お問い合わせ・お申込みは
(トリム・コースのご利用は申し込み不要)
*受付時間/9:00~12:00 13:00~16:30
*休日/毎週月曜日および年末年始(12/29~1/4)
(1)(2)の地区 守口サービスセンター 〒570-0096守口市外島町4-18
TEL06-993-0684
(3)(4)の地区 太間サービスセンター 〒572-0078寝屋川市太間町7-31
TEL0720-38-0888
(5)の地区 鳥飼サービスセンター 〒566-0071摂津市鳥飼下1-8-1
TEL0726-54-9800

淀川歴史散歩―第5回―水郷の昔偲ぶ太間周辺

記:滝本明

太間地区堤防の「茨田堤(まむだのつつみ)」碑[A]

淀川河川公園太間地区を望む堤防には、「茨田堤」の碑が建っています。太間は古くは断間(たえま)と呼ばれ、堤防の決壊しやすい所という意味。古代7~8世紀にかけて河内低地中央には広大な湖沼があり、この頃の淀川はほぼ現在の流路の他に湖沼に流入する分流(現古川)がありました。碑の位置はその分岐点あたりと考えられています。古代の茨田堤は、この2つの流れに囲まれた地域を水害から守り豊かな土地にしました。「日本書紀」によれば、仁徳天皇十一年(323)に堤築造とあり、日本最初の治水工事といわれています。この時築造困難な所が二か所あり、天皇は夢で「武蔵の強頸(こわくび)と河内の衫子(ころものこ)を以て河神を祭れ」と神託を受けました。強頸は悲しみながら河に身を投げましたが、衫子は一計を案じ、「河の神がまことならこの瓠を水中に引き入れてみよ」と瓠を投げ、瓠は沈まず難を逃れたと伝えられています。

太間地区の堤防上にある茨田堤碑

堤根神社の茨田堤遺跡[B]

京阪大和田駅から東北300メートルの古川南岸に堤根神社(門真市宮野町)があります。現祭神は彦八井耳命・菅原道真。社殿の裏東北 100メートルにわたり土堤が残されており、大阪府指定の史跡になっています。この辺り一帯は旧淀川水系の河川によって形成された砂州地帯で、旧淀川は一度水量が増すと付近一帯を濁流で押し流す荒川でした。「日本書紀」や「古事記」に仁徳天皇十一年、水害から地域を守る茨田堤築造の記事がありますが、堤の決壊・修復の記録は奈良時代(続日本紀)にもあり当時の苦難が偲ばれます。土堤の上に巨大な樟が茂っており、これは茨田堤築造に関係の深かった茨田氏が、堤の安全を祈って先祖の彦八井耳命を祭ったものと伝えられています。

堤根神社裏に残る茨田堤

大阪府淡水魚試験場[C]

淀川河川公園太間地区に隣接する木屋元地区の堤防のすぐ下(町側)に、大阪府淡水魚試験場があります。同試験場では、淀川のワンドに生息する天然記念物のイタセンパラやアユモドキ、希少魚ニッポンパラタナゴ、スナヤツメをはじめ、スゴモロコなど淀川水系の魚約40種や水生生物を水槽で展示、来館者が観察できるようになっています。玄関前の池には、ロシアのチョウザメ、中国のレンギョ、ソウギョ、など外来種の魚も泳いでいます。同試験場では、天然記念物のイタセンパラを二枚貝に産卵させ人工増殖に成功、種の保存に取り組んでいます。見学は自由で午前10時~午後4時まで(土・日・祝日休館)。 来館者は小学生や淀川愛好のクラブ、環境保全に関心のある人たちなどが多く、10名以上の団体には研究員が同施設を解説案内するそうです。
問合わせはTEL0720-33-2770

淀川河川公園と私

子供と遊びを見つける淀川河川公園

部屋の西の窓から、淀川が見えます。車で5分も走ると淀川河川公園に着きます。2年前、ここ寝屋川市木屋町※に引っ越してきましたが、交通量の多いこの町で暮らしていくには、田舎育ちの私には辛いものがありました。その頃、出産したばかりの私は子供を連れてどこに行こうか…と悩みました。

ある日、近くの淀川に河川公園があることを知り、すぐに出かけてみました。河川公園(木屋元・太間地区)は草の匂いがし、広がる空が近くに感じられました。

私は、本当に嬉しかった!

河川公園に出かけるようになった最初の頃は、公園のベンチに座っているだけで、他の親子の遊ぶ姿をただ眺めているだけでした。まだ北の風が厳しく、訪れる人もまばらで平日は2~3組。それでも毎日、通い続けました。季節が移り変わり暖かくなってくると、徐々に、人々が増え、公園に集まってくる常連さんも多くなって来ました。互いに顔馴染みになり、やがて挨拶を交すようになってくると、子供を通じて会話が弾むようになってきました。

初めて交わした話題の中心は、何よりもまず子供がゆったり、大らかに遊べる場所を探していることと、もうひとつは、親子共々友達をさがしていることでした。また言葉の合間に、毎日を出来る限り楽しく過ごそうと、わざわざ河川公園にやってくるお母さん達のパワーを身近に感じて嬉しくなってしまいました。

今では、木陰にゴザを敷いてお弁当を広げ、子供に昼寝をさせたり、笛を吹いたり、川に水を飲みにくる野鳥を見たり、草花に触れてみたり等々と、1日中、のんびりと過ごしています。そんな私のくつろいだ気持ちを感じ取るのか、子供も自然にのびのびしている様子が伝わってきます。

それから…フラワー・スタイリストという仕事柄、花嫁さんのブーケ造りを頼まれると、何かひとつ野の花を添えたくて、花探しにやってくるのもチョットした楽しみになっています。そんな時、以前に植えられ(?)もうすっかり野生化したカモマイルやコスモス、ポピー等が、それらを包み込む河川公園の広い広い芝生や深い影を落とす背の高い木立、高く澄んだ空と見事にマッチした風景に出会うと、カゴや花瓶など狭い枠の中で生けられている花たちが少し気の毒に思ったりもします。  

やはり、草花も場所を選ぶというか、大きな自然に入れてもらっている方が、元気いっぱいで嬉しそうです。子供と一緒にここ淀川河川公園に来て、こんなにも安らいだ気持ちになれるのも、きっとそんな優しい風景に出会えるからでしょう。日常の些細なことなど全部を忘れて、子供と一緒にニコニコ笑っています。そして、来て良かった!!また来よう!という気持ちになります。

ここが、いつまでも子供達にとって何よりの"オモチャ"であり、新しい遊びの発見の場であって欲しいと思います。そして、自然の中で遊んだ記憶を忘れずに、これから大きく育って欲しいと思います。今はまだ、晴れた日にしか公園に行っていないけれど、もう少し子供が大きくなったら、雨の中での遊びにもチャレンジしたいものです。

林桃子

淀川河川公園木屋元地区で

林桃子

はやしももこ
1968年、奈良市生まれ。23歳の時、ウェディング装花と出会い、フラワー・スタイリストとなる。
結婚後も子育ての合間をぬって、ウェディングブーケの製作や様々な会場の花装飾を中心に、フリーで活動する。

※筆者はこの原稿を執筆後、しばらくして大阪市の淀川近くに転居され、淀川下流の河川公園を楽しんでいるとのこと。

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