よしぶえ No.32 2002 WINTER

つかの間の

詩:滝本明 写真:細川和昭

三川合流付近

日が昇り朝が来て  つかの間の汐が満ち
たぶん君は夢のはずれで  一人目覚めているだろう
おはよう 今日もまたいつものように夜明けの時間を見ているのかい
ほら聞いてごらん  一羽の鳥が  一万年前の空の高さで鳴いているぜ

またつかの間の日が落ちて 町の灯火が窓を照らす
つかの間の汐が引き 今日の魚が身を寄せる 名もない岸辺
千年前の獅子座を切なく映す水面の流星
あれはつかの間の君の物語り 子供たちの中に生き残る天動説なのさ

また日が昇り朝が来て つかの間だけど僕たちは 寒さから遠ざかる
百年前のつかの間の恋 十年前のつかの間の団欒  一年前の小さな冗談
そして いつまでも  つかの間の君と僕は明日の朝 未来の風に洗われて
たぶんいつもの声で  おはようの挨拶をしてるだろう

目次

淀川河川公園ニュース イベント案内 親子3人「淀川源流」旅日記 淀川河川公園と私

淀川河川公園ニュース

第6回男子ダブルステニス大会

10月14日(日)、赤川地区のテニスコートで男子ダブルステニス大会が開催されました。参加者は12組、試合方法は3組によるリーグ戦。今回は中級レベルの選手による大会のため実力が伯仲し、あちらこちらで熱戦が繰り広げられました。この日は一日中爽やかな秋晴れとなり、絶好のスポーツ日和に参加者たちは気持の良い汗を流しました。

★1位  西浜&久保チーム(セントラル)
★2位  能勢&松島チーム(守口市)
★3位  西田&有本チーム(ジャプジャプナイン)

守口地区で植木市開催

都市緑化月間中の10月20日(土)、21日(日)の2日間、恒例の植木市が淀川河川公園の守口地区で催されました。20日は絶好の秋日和、21日は下り坂の天候でしたが、2日とも昼前頃から主婦を中心にお年寄りから子供までの大勢の人で賑わい、草花の育て方等を聞いている光景があちこちで見られました。また催し物では、「寄植え体験」に人気が集まり、21日は募集人数の2倍以上の応募者で参加できない人が多く出ました。今回はじめて行った草花等のせり市も大好評でした。

人気が集まった寄植え体験コーナー

第33回 淀川河川公園パター大会開催

10月28日(日)、あいにくの曇り空の中で淀川河川公園パター大会が仁和寺ローンプレイフィールドで開催されました。今にも雨が降りそうな天候にも係わらず、中学生以上の男女50名が集まり、午前9時から18ホールストロークプレイで淀川コース(イン)と桂川コース(アウト)で熱戦が繰り広げられました。この大会は、淀川河川公園内のイベントの中でも1、2を争うほど歴史は古く、上級者からビギナーまで人気のあるイベントです。午後からは表彰式をおこない、今回は8アンダーという大会史上でも屈指の好スコアーで松岡正男さんが優勝を飾りました。

★1位  松岡正男
★2位  阿部豊子
★3位  赤石勝俊

園児達チューリップ1万5千球植付

10月31日(水)、淀川河川公園の長柄地区に淀川幼稚園、長柄保育園の園児約80名が集まり、チューリップの球根を植え付けました。男の子も女の子もスコップを片手に賑やかに穴を掘りながら、中には夢中になって深く掘り過ぎたり土を盛り上げたりと、土遊びを楽しんでいる園児の姿も見られました。ようやく昼前には球根植えも終わり、園児たちと来年の4月に花が咲いたら観にきて貰うことを約束してお別れをしました。

第66回 淀川の自然を楽しむ会

11月3日(土)、小雨が降る中、背割堤地区で49名が参加して淀川の自然を楽しむ会が催されました。有馬先生の指導のもと子供1班、大人5班に分かれ、三川合流地点である木津川右岸での土器探しの河原探検に出発。ノイバラ、クズ、セイタカヨシの群生する道なき道を踏み分け、木津川の河原に到着しました。この付近は川床住居の跡が発見されていることから、砂の上に古代(弥生時代)からの土器の破片があるということで、必死で探索。発見した時はみんな満足顔でした。午後になっても雨は降り止まず、時間を繰り上げ午後2時に終了。背割堤をあとにしました。

第5回 大阪・淀川市民マラソン

11月4日(日)、淀川の秋の風物詩、大阪・淀川市民マラソンが開催されました。市民ランナー約3600人が参加、枚方市の淀川河川公園を出発し、十三大橋を折り返すフルマラソンと守口市の八雲地区の間を往復するハーフマラソンとに分かれ、川風を受けながら気持よい汗を流しました。また、今年は昨年より150人多い約5000人のボランティアも参加し、救護や給水、お汁粉のサービスなどにあたり、手作り大会を盛り上げました。

★フルマラソン
 /男子
 1位 2:29:32  田中耕一(福知山市)
★フルマラソン
 /女子
 1位 3:09:29  松村政子(吹田市)
★ハーフマラソン
 /男子
 1位 1:14:02  小牟田竜一(西宮市)
★ハーフマラソン
 /女子
 1位 1:24:23  能勢純子(河内長野市)

第18回 淀川河川公園ゲートボール大会

11月17日(水)、淀川河川公園仁和寺地区でゲートボール大会が開催。枚方市・寝屋川市・守口市の各ゲートボール協会所属の24チームによるリーグ戦で試合が進められました。この日は肌寒い曇り空でしたが、寒さを吹き飛ばす白熱したプレーの連続で、各チーム平均年齢が75歳と高齢にも係わらず、和気あいあいと有意義な一日を過ごしました。

★優勝 あゆみ会(枚方市)
★準優勝  SMYクラブ(枚方市)
★3位 福友若山B(寝屋川市)
★3位 清水クラブ(寝屋川市)

第6回 淀川ジュニアシングルステニス大会

11月18日(日)、外島地区テニスコートで晴天の中、男子17名、女子13名が参加し、淀川ジュニアシングルステニス大会が開催されました。選手の中にはスコアを忘れてしまい試合が中断するなど若干の時間オーバーをしたものの、数々の珍プレーや好プレーで大会は大いに盛り上がりました。

★男子Aブロック  1位  池田裕一
★男子Bブロック  1位  鐘ヶ江了
★男子Cブロック  1位  河合隆明
★女子Aブロック  1位  豊田満喜
★女子Bブロック  1位  米田采未

イベント案内

2月10日(日)

第6回淀川河川公園凧揚げ大会(太間地区)
全国凧揚げ大会(太間地区)

2月24日(日)

第67回淀川の自然を楽しむ会(城北ワンド)

3月3日(日)~5月12日(日)

第24回淀川環境管理財団杯争奪サンスポ野球大会
(海老江地区他6地区)

親子3人「淀川源流」旅日記~桂川その4~

山々が黄色や朱色に染まり始めた頃、嵯峨から亀岡方面へ。美しい紅葉の街道をトロッコで駆け抜けました。京都市内の街並みから一気に里山へタイムスリップ。亀岡では稲を刈り取ったあとの田園風景や自然景観に恵まれた由緒ある社寺がしっとりと迎えてくれました。

今回は トロッコ嵯峨駅【A】 からスタート。この駅には使用済みの定期券やプリペイドカードで作られた遊歩道やミニ植物園があり、待ち時間を退屈することなく過ごせる。トロッコ列車は明るい配色を施した可愛い「ロマンチックトレイン嵯峨野」。全長7.3キロ、保津川渓谷を縫うように25分間走行する。途中、8カ所のトンネルを抜けるが、そのたびにシャッターチャンスがあり、乗っている者を飽きさせない。

トロッコ列車

列車はすべて指定席。取材当日は平日にもかかわらず、立ち見客も多かった。のんびりと列車が走り出す。見所はガイドさながら車掌がマイクで説明してくれた。景色がよく見える大きな車窓、レトリックな趣のインテリア。宮沢賢治の銀河鉄道の夜を思わせる列車は、遠足の時にワクワク、ソワソワした子供の頃の記憶を思い起こさせる。しばらくすると、 保津川下り【B】 の舟が見下ろせた。こちらが手を振ると、船頭さんや乗船客たちがそれに応えて手を振ってくれる。 保津峡【C】 に差し掛かると、景色が一変。紅葉に包まれた渓谷美が広がる。眼下では深紅の衣装をまとったコマドリが谷を渡り、斜面に横たわるブナの倒木に留まる。あたかも一片の紅の葉が生を受け、遊ぶように舞っていると感じた。本来コマドリはもっと高い山間にいて、季節的にも9月までに見られる野鳥らしい。この辺りで目にしたのは、とても希な体験かも知れない。行程も半ばを過ぎる頃、トンネル内では酒呑童子に扮したスタッフが現れる。至れり尽くせり、とても楽しい。しかし、その姿に娘は固まる。はじめは機嫌良く車窓を眺めていたのに、酒呑童子に頭をなでられると「こわい!もう降りたい~」と半泣きになっていた。

保津峡の紅葉(小倉山、山頂付近より)

終点のトロッコ亀岡駅からJR馬堀駅まで約10分。タンポポやセンダングサが咲く線路づたいを歩きながら、パノラマで里山風景を堪能した。そして、JR馬堀駅からJR亀岡駅へ。駅前には明智光秀公ゆかりの 亀山城跡【D】 がある。まるで樹木におおわれた丘のよう。僅かに残っている石垣の一部が当時の面影をうっすらと感じさせる。現在は大本教の本部が置かれ、中には大きな植物園がある。園長に見学を申し出ると快く承諾してくれた。北海道から奄美大島まで国内の珍しい植物がいっぱいだ。平日の午後だからか、見学者は誰もいない。ヒヨドリの鳴き声だけが響く中、家族だけでゆっくりと散策できた。  次なる目的地は駅の反対側。バスやタクシーが行き来し、賑わっている目抜き通りとは一変した風景。里山と田園が広がる懐かしい雰囲気の中をバスで10分ほど行くと、天平13年、聖武天皇の勅願により建てられた 丹波国分寺跡【E】 に到着。ここは国の史跡であり、現在は田園の中に山門・本堂・鐘楼がひっそりと佇んでいる。境内の隅にある17個の礎石、本尊である薬師如来像が当時の規模を伝えてくれる。また、この寺跡の近くには桂川支流の 七谷川【F】 がある。ここは知る人ぞ知る桜の名所。春になると近郊から花見客が大勢押し寄せるとか。桜花が満開に咲き誇る様は、さぞ見事だろう。早春の季節に、今度はお弁当でも持参して、ぜひ観光してみたいものだ。  天候に恵まれた秋の一日。家族揃って、のんびりと過ごした。日本らしい秋の景色がノスタルジックな感情を引き出す、そんなひとときであった。

*取材/11月8日(木)

*小村家・プロフィール/父の一也はプランナー兼イラストレーター。母の郁慧はコピーライター。そして一人娘の東洋。親子3人、仲良く見聞しています。

淀川河川公園と私

河原のテニスコートは淀川からの贈り物。

やはりテニスの話から始めさせていただきます。

テニスは、ちょっと女性的で上品なスポーツという誤解があって、つい15年程前までは、「こんなもん出来るヵ」といって敬遠する人も多い時代でした。しかし、テレビなどから目に入ってくる格闘技と錯覚するような最近のテニスは、大変激しいスポーツという印象があって、今は「こんなもん出来ないヮ」と思う人が多くなっているようです。テニスがそのような印象で人々に伝わるのは、普及という意味では少々困った事なのですが、確かに用品の性能や練習方法が非常に向上した事で、今のテニスは以前に比べるとはるかにハードになったのは事実です。しかし、それはプロや選手を目指して科学的で高度な学習を重ねた一部のアスリート達の世界であって、本当は幼児から高齢者まで年齢に応じて気軽に心から楽しめる素晴らしいスポーツで、少し減ったとはいえ、800万人近い人たちがプレイを楽しんでいます。

テニスの技術の中には’打つ”投げる”受ける”走る”跳ねる”止まる”蹴る”滑る’など多くの動きが含まれています。そして、ゲームの中では、相手が打って来るたびに、素早い’判断”決断”実行”反省’を繰り返して、的確な所に返球しなければなりません。それらの事が、健康に大いに貢献しているだけでなく、子供達にとっては神経系統の素晴らしい成長を促し、高齢者には老化やボケの防止に大いに役立っています。又、プレイにおいて、仲間との楽しいコミュニケーションを図る中で、豊かな人間関係も育まれ、生涯スポーツとしては最適のスポーツと私は思っています。
テニスの宣伝はこれぐらいにして、淀川の河川公園には、テニスコートがゆったりとした環境の中に55面も点在しています。私はテニスの普及を目的としたスクールやイベントの開催をお引き受けして既に15年余りになりますが、いつもコートに直行するだけだったので、この機会に雰囲気をゆっくり感じてみたいと思って、天気の良い日に公園に足を運んでみました。

堤防に立って、まず川幅の広さに改めて驚き、水によって生み出された広大で平坦な土地に、自然のすごさを感じながら河原に下りますと、不思議に静かで無音の世界がそこにありました。反響するものが周囲に無いからか、最初は草の香り以外何もないほど静寂に感じました。しかし、静けさに慣れてくると、やはり’親子の笑い声”ランニングの足音”風の音”鳥のさえずり’など多くの音が聞こえ出します。さえぎるものが何一つない真っ青な空の下に、不思議に都会の騒音は聞こえず、市民の生活音と自然音だけがいっぱいに聞こえ出し、こんな恵まれた環境でテニスをさせてもらっているのだと初めて気付きました。

私は今後もテニスコートの効果的な活用でお役に立ちたいと考えますが、何かと問題の多い世の中になり、心の豊かさが求められている今、こんな身近な所に素晴らしい水からのプレゼントがある事を感謝し、皆さんもこの空間をもっと生活に取り込んで、豊かな毎日をすごしてもらいたいものだと思いました。

山崎 眞吾

テニスコートに立つ筆者

ナンバー18

山崎 眞吾(やまざき しんご) 昭和49年4月、有限会社ラケットパル設立。
(社)日本プロテニス協会理事、(社)日本テニス事業協会理事、文部科学大臣認定
(社)日本プロテニス協会公認テニスA級教師、ミズノ株式会社アドバイザリープロ。

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